新詩集紹介

齊藤恵美子『雪塚』(思潮社) 内容、読点、言語感覚のどれもが心に突き刺さる

 ひと、に似ているが、光、かもしれない

 ― 世界の剥製に触れているのか  

 

竹中優子『冬が終わるとき』(思潮社) 重い物語をずっしりとした手ごたえで差し出す

 夜ごと引き摺られていく川に/骨のようにつき出る砂地を見た/ああ/あの水に浸かる頃/簡単に返せるだけの/あかるさが見つかる

 

鎌田尚美『持ち重り』(思潮社)

 「最中はさいちゅうと書くのですね。わたしは刑の最中なんですね」

 

山崎るり子『猫まち』(ふらんす堂) 猫がいっぱい、猫づくしの楽しさ

 猫抱こうと屈めば蝉のぬけがら