2017-11-27から1日間の記事一覧

中島悦子・詩「甘栗」(『マッチ売りの偽書』より)

甘栗 「物語」を信じなくなって数年。甘栗売りとして路上に立っている。甘栗を焼く焼けた小石の渦まきを見るのが一日の仕事。栗は不確実な小惑星のようにぐるぐると磨かれ、地獄のようなかたまりとなって、どれも一日を数秒で終え、何万年かをかきまわす。か…