2011-01-01から1年間の記事一覧

姜信子『はじまれ 犀の角問わず語り』

姜信子『はじまれ 犀の角問わず語り』(発行:サウダージブックス、発売:港の人)が刊行されました。姜さんの文体は、私に、歌を心を届けてくれます。 空白。見えない、さわれない、語れない、でも確かにそこに在る、空白。 声。どうしようもなく零れ落ちる…

中島悦子「わたしの天国」   Etuko Nakashima

ウェブ詩誌「四囲」vol5に「わたしの天国」を書かせていただきました。 私にとっては、少し長めの実験的な作品です。 同人の作品もお読みいただければ幸いです。http://tsuzura.com/she/pdf/she5.pdf

中島悦子「水玉とスコール」 Etsuko Nakashima

水玉とスコール 中 島 悦 子埃っぽく、暑い街には、スコールが似合う。毎日、毎日、私達を洗ってください。私達の街を洗ってください。若い女の足の爪には、オレンジの水玉はじけてる。ぼくのおとうさんは、がいこくでけんじゅううったことあるんだよ。それ…

中島悦子・エッセイ「魯迅と故郷と」(福井新聞10月16日)

福井新聞の女性作家リレーエッセイ「薫ることば」に「魯迅と故郷と」を書かせていただきました。このコーナーの写真も私です。なお、拙稿は、「福井新聞電子版」でもお読みいただけます。 http://www.fukuishimbun.co.jp/localnews/kaorukotoba/31022.html

かまくらブックフェスタ

かまくらブックフェスタに行ってきました。出展は、 via wwalnuts社 四月と十月 書肆くさびら堂(古本ユニットricca) たらば書房 ナナロク社 real arena(リアル・アリーナ) 編集グループSURE サウダージ・ブックス 港の人本に対する静かな情熱が伝わるい…

園子温監督「ヒミズ」

第68回ベネチア国際映画祭コンペティション部門で主演の染谷将太と二階堂ふみがマルチェロ・マストロヤンニ賞(新人俳優賞)を受賞。若い俳優の熱演は必見。原作を離れて、震災の映像にも深い意図を感じました。ラストの「住田、がんばれ」は、「がんばれ」が…

「真夏の夜の詩とジャズ」

横浜詩人会主催の「真夏の夜の詩とジャズ」(DOLPHY 2011.8/28)に参加しました。私は「銅の奇術」と「屋根の未来」を朗読。演奏は尾山修一氏(Sax)、ケミー西岡氏(Piano)でした。現代詩がより現代詩っぽく聞こえる不思議な演奏。…

中島悦子「屋根の未来」   Etsuko Nakashima 

ウェブ詩誌「四囲」No4に詩「屋根の未来」を書かせていただきました。 スクロールしながらごらんください。 http://tsuzura.com/konoyo/she4.pdf

ジョン・ソルト『北園克衛の詩と詩学〜意味のタペストリーを細断する〜』(思潮社)

私にとっては、なぞが多く、解釈の難しい詩人。読むのに時間がかかってしまったが、すばらしい研究書だった。

中島悦子「私を見なくていいから」 Etsuko Nakashima

私を見なくていいから 中島 悦子男を脇にかかえて走っていた。男は長身なのに、なぜかかえられたのか。たぶん、体重が二キロくらいだったのだろう。それでいい。男は、素直にかかえられていて声もださなかったし。私というもののカウントダウンがはじまって…

辺見庸「眼の海―わたしの死者たちに」(「文学界」6月号)

辺見庸「眼の海―わたしの死者たちに」(「文学界」6月号)の三十編あまりの詩が圧巻。 石巻を故郷にもつ作者が溢れ出る慟哭と鎮魂の思いを詩の言葉に託す。砂いっぱいの死者にどうかことばをあてがえ 水いっぱいの死者はどうか眠りにおちるな 石いっぱいの…

「詩と思想」2011/5月号にシンポジウムの内容掲載

「詩と思想」5月号に2010年10月の日本詩人クラブでのシンポジウムの内容が掲載されました。「現代を超えて、<詩>の未来を」。パネリスト 柴田三吉 野木京子 斉藤恵子 和合亮一 中島悦子

中島悦子・エッセイ「新たな桜へ」(福井新聞 4月17日)

東日本大震災により尊い命を無くされた方々のご冥福を心よりお祈り申し上げます。そして被災された皆様、被災地に所縁の深いご関係の皆様に対し、謹んでお見舞い申し上げます。 被災地の方々が、少しでも早く穏やかな日常を取り戻せるよう一日も早い復興を心…

放送大学2011年度第1学期面接授業のお知らせ・中島悦子「現代詩の鑑賞〜戦後から現在まで〜」

今年度も放送大学神奈川学習センター(横浜市南区大岡2−31−1)で面接授業を行います。ご参加お待ちしています。いっしょに詩の言葉について語り合いましょう。 7月10日(日)10:00〜17:15 7月17日(日)10:00〜17:15講座内容 …

中島悦子「銅の奇術」

web詩誌「ぽえーむTAMA15」に「銅の奇術」を書かせていただきました。2ページにわたっていますので、次もクリックしてください。 宴会の余興・座興の手品でも習いたいなと思って書き始めたのに、とんでもないところにいってしまいました。いつもの…

「ことばとまなびをひらく会」報告・中島悦子の詩のワークショップ

「ことばとまなびをひらく会」報告大会報告がアップされました。私のワークショップの様子をご覧ください。第三回大会報告 「言語感覚を豊かにする詩の創作指導」 2009/10/23 http://www.kotoba-manabi.jp/kai03/kai03_result_ws_d.html第四回大会…

中島悦子「濃度」          Nakashima  Etsuko

濃度 中島 悦子黄河大橋というだけで、物語はとてつもなく動くように思われた。なにしろ、黄河はなんといっても黄河だから。タクシーでそのそばを走り続けるというくだりでもう「合格」と言ってあげたくなる。だから、続きは読まなくていいほどだ。「合格」…

中島悦子・「白菊の移る時」

白菊の移る時 中島 悦子「紫式部は、肌、つるつるだね」 「清少納言と区別がつかない同じ顔」双子の姉妹は、そういいながら歴史人物トランプの絵を熱心に見ていた。「ペリーって、外人」 「はげって、言っちゃいけないんだ、杉田玄白に」十分前に投げたボー…