2010-01-01から1年間の記事一覧

中島悦子「ライン」

ライン 中島 悦子先生ったら、つまんない単語でも線を引けって言うんだよね。おかしくない?つまんない単語は、けっこう押し寄せてきてる。床下、くらいは。これがぬるい。温泉プール。温泉かプールか、どっちなの! って怒りたくなる(笑)。ぬるい単語も、…

中島悦子「すすき」

「ポエームTAMA 11」に詩作品「すすき」を書かせていただきました。 あっさりした短い詩です。作家姜信子さんの済州島の旅の話をうかがった印象を書き留めました。「ポエームTAMA 11」http://www1.hinocatv.ne.jp/planet/sp11nakajimapage1.htm …

中島悦子・「ことばと学びをひらく会」・ワークショップ講師

「ことばと学びをひらく会」で「「書き換え」学習で詩を読む・作る」のワークショップの講師をします。子どもたちにどう詩を読ませ、その読みを深めていくのか。「書き換え」学習の指導法の可能性とその留意点、指導目標に合った授業への生かし方などを参加…

中島悦子「遠回しの夏」

遠回しの夏 中島 悦子六分の一しか開かない学校の校舎の窓から、すり抜けるように子どもが転落するのは何故か、考えてもわからない。軟体動物のような子どもの骨格では、窓は十分の一開ければいいのではないか。子どもがもっと柔らかくなるのであれば、十八…

中島悦子・シンポジウムのお知らせ・2010/10/9   日本詩人クラブ

日本詩人クラブ主催のシンポジウム「現代を超えて、<詩>の未来を」にパネリストとして、参加します。日時 2010年10月9日(土)14:00〜16:30場所 東京大学駒場キャンパス ファカルティハウスセミナールーム (京王井の頭線 駒場東大前下車…

中島悦子「カメレオンの粉」

カメレオンの粉 中島 悦子砂漠に生きる空白のカメレオンを干物にする カメレオンはまじないの粉になる。秘かに飲ませるのに成功すれば、カメレオンの寿命と同じになるという。カメレオンの粉は、毒ではない。あくまでまじないの力によると、スークの呪術師に…

中島悦子・放送大学「現代詩の鑑賞」

放送大学の面接授業講座「現代詩の鑑賞」が終了しました。たくさんの方々とお会いすることができ、とても充実した時間を過ごすことができました。詩ってなんだろう、どうやって読めばいいのだろう。戦後から現在までを文化的背景をたどりながら主要詩人の作…

中島悦子・「純粋漆」

純粋漆 中島 悦子木食修行の最後に漆を飲んでミイラになるという。漆はどれだけの人間を土中入定させたか分からない。掘り出されたミイラは一握り。なりそこねたミイラもあわせれば、何千というミイラが今も埋まっているということだ。漆掻き職人は言う。「…

中島悦子・「泥酔と色」

泥酔と色 「せっかくですから」と言って、入った寺で濃茶をいただく。 あ、これ、入場料に含まれているわけですね。 あああ、そうですか。そうですか。 (入場券は財布にしまう。) 寺ってのは、いろいろな罪をかぶってくれるんですって。コインロッカーの中に…

中島悦子・「防人、入れ子の夢」

防人、入れ子の夢 中 島 悦 子あの人が防人に行くという。止めるすべはない。私は、丈夫な子を産むために、病を治して、大きな腹切りなどして待っていますから。あの人の声が好きだった。何万年もあの人の声を聞いていたかった。防人に行くと三年は、帰って…

中島悦子・エッセイ・東京新聞・2010.3.17.夕刊 「読み書きはあかるく」

「読み書きはあかるく」 室生犀星の校歌について、エッセイを書きました。 犀星の校歌はひきしまった文語でとてもいいのですが、金沢大学教育学部附属小学校の校歌は、犀星にとって少し冒険だったようです。なお、この記事は北海道新聞・北陸中日新聞等にも…

中島悦子・「半夜」

半夜 中 島 悦 子 旅先では、どんな厠でも入ると決意しながら、そうできなかった時があった。厠は、試練の場。世を捨てると決めたことが、嘘でしかなかったことになる。世は捨てた方がいいに決まっているのに。諦念とかもあるに越したことはない。女が厠のこ…

中島悦子・放送大学面接授業(神奈川学習センター)のお知らせ

放送大学(神奈川学習センター)で面接授業を行います。ご興味のある方はいらしてください。戦後の現代詩について、文化背景を関連させながら、鑑賞していきます。テキストは、『戦後現代詩選続 谷川俊太郎から伊藤比呂美』(思潮社)。 全8回。くわしくは…

中島悦子 H氏賞関係の資料一覧

昨年は、受賞にあたり、いろいろお世話になりありがとうございました。さらに新しい文学シーンを夢見て努力していきたいと思います。これからもよろしくお願い申し上げます。・福井新聞 2009/3/15 H氏賞受賞発表 一面記事 コメント 荒川洋治 ・日刊…

中島悦子 現代詩ゼミナール 2010.1.16

早稲田奉仕園で、日本現代詩人会主催の「現代詩ゼミナール(東日本)」が開催されました。柴田三吉さん「世間と詩」のご講演のあと、六人の詩人の詩の朗読がありました。私は、「撥鏤の赤」(「木立ち」2009.5)、「泥酔と色」(「SOMETHING9」200…