2009-11-13から1日間の記事一覧

中島悦子・詩・「八月の黒」(文学界 八月号)

八月の黒 中 島 悦 子それは、小さな舞踏だった。黒い豆粒のような舞踏。喪の人々が散らばってあちらこちらで踊っているのだった。手をつなごうとしてつなげない、輪になろうとしてなれない、形になろうとしてなれない踊りだった。中には、途中で踊りをやめ…