辺見庸「眼の海―わたしの死者たちに」(「文学界」6月号)

辺見庸「眼の海―わたしの死者たちに」(「文学界」6月号)の三十編あまりの詩が圧巻。
石巻を故郷にもつ作者が溢れ出る慟哭と鎮魂の思いを詩の言葉に託す。

砂いっぱいの死者にどうかことばをあてがえ
水いっぱいの死者はどうか眠りにおちるな
石いっぱいの死者はそれまでどうか語れ
       (「死者にことばをあてがえ」より部分)

NHK教育「こころの時代 ー辺見庸が語る大震災ー」で朗読されたこの詩も胸にささってきた。まだ、ふさわしいことばは見つからない。